ALLDAYレポート

第8回ALLDAYレポート





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予選トーナメントでの波乱


今大会から本格的に予選と本戦との2DAYSに分けられたALLDAY -5ON5 TOUENAMENT-。その予選、12分1本勝負という限定されたゲームタイムのルール。実力差が出にくい僅かな試合時間の設定に、波乱は開催前から予想されていた。しかしながら、その予想を遥かに上回る形で巻き起こった波乱、常連チームの予選落ち。プロ・ストリートボール・リーグ“LEGEND”の契約ボーラーに外国人助っ人を加えた形での参戦となった“太平洋クラブ”の初戦敗退。さらに、関東クラブチーム・オールスターと銘打っての2回目の登場となった“SIMON”の初戦敗退。ALLDAY常連のネクスト・ジェネレーション“びゃっこたい”の初戦敗退。そして、過去の実績からも優勝候補であった柏の“勉族”の予選敗退……。ALLDAY実行委員会が予め設定していた、いわゆる8強は予選にして早くも崩れていた。12分ゲームという短時間の恐ろしさか、はたまたビック・トーナメントの恐ろしさか。


ALLDAY SELECT TEAMという新システムの導入


今まで案としてありながら、長い間温めることになっていた構想。チームを持たないボーラーがALLDAY当日に代々木に集まって、その場のメンツで即席のチームを組み、トーナメントに参加するというピックアップ・チーム、“ALLDAY SELECT TEAM”。今大会から、いよいよその新システムを導入することに成功したALLDAY。大会直前の新システム導入だったため、当日集まったボーラーは7名。用意してあった3枠には及ばなかったものの、1チームを編成しての参戦。初戦敗退という結果であったものの、その相手は優勝候補でもあった横浜の“Team-S”。最終結果19-21という予想以上の接戦をみせ、今後のALLDAY SELECT TEAMの可能性を見出した結果となった。次回大会、代々木に集まるボーラーたちに期待が集まる。

 


6FIGURE$/YOKOTAの登場


ALLDAYコミッショナーのJIROの強い推薦があったこのチーム。噂は聞いていた。2006年の初夏、都内某所の米軍基地内施設で行われていたというトーナメントの優勝チームであると。しかし驚きなのは、“6FIGURE$/YOKOTA”が下したチームの中に、全国クラブ選手権優勝チームで埼玉の“ガリバークラブ”の名や、さらにはALLDAYでの絶対的なチャンピオン・チームである代々木の“SUNDAY CREW”の名があったことだ。聞けば、“SUNDAY CREW”にはbiリーグ“高松ファイブアローズ”に入団を決定し、ALLDAYのもはや伝説プレイヤーでもあるISSAC SOJOURNERもいつものようにプレイしていたというのだ。いわば、フルメンバーの“SUNDAY CREW”に勝利した“6FIGURE$/YOKOTA”の脅威。横田米軍基地の軍人やその仲間たちで構成されているという外国人バスケットボール・チーム。代々木にやってきた彼らを見て、あまりの体躯の大きさに、“SUNDAY CREW”のボーラーたちの身体が小さく、細く見えてしまったほど……。ワイルドカード・トーナメント初戦、相手も初出場であった“messed up”という若いチーム。40-6という惨い結果となり、場が騒然とした。そして、さらにショッキングであったのが、本戦出場をかけた柏“勉族”との対戦。“勉族”はぬま、WARIO、本エース、仮エース、ダークロといった申し分ないメンバーでの布陣。それが蓋を開けてみれば、26-13。僅か12分間のゲームで、“勉族”相手にダブルスコアでの勝利。生でゲームを観た感想を率直に言えば、スコア以上に“勉族”は何も出来なかった、というところだろうか。単純に実力差があったということでは決してなく、“6FIGURE$/YOKOTA”には絶対的なフィジカルがあった。むしろ、“勉族”の方がバスケットボールをしていただろう。いつものように、連携の取れた巧いバスケットボールを。しかし、“6FIGURE$/YOKOTA”のフィジカルはお構いなしにゴール下で加点した。ダンクもした。とにかく“勉族”が予選落ちし、“6FIGURE$/YOKOTA”がその代わりに本戦出場を果たした。とんでもないチームが現れてくれたことに喜びを覚える一方で、もうどうにもならない奴らが現れたという絶望感があったことも、正直否めない。

 


SUNDAY CREW×THE 84s


初出場の“THE 84s”というチームは、日本在住の外国人が集まったチームで、多国籍な混合チームであるようだった。ALLDAY実行委員会に送られていたエントリーシートには、自分たちがどれだけGOODなボーラーたちであるかということと、SUNDAY CREWに勝ってみせるから直接やらせて欲しいということが書いてあった。威勢の良さが気持ちよかったため、ワイルドカード・トーナメントの2回戦、本戦出場をかけて戦ってもらうことにした。対する“SUNDAY CREW”も新たにNYCのwest4thでプレイしていたというNYC LEGENDや頭がリムを飛び抜けるほどのダンカーを二人加入したというから、磐石であるだろうと予想していた。ひとつ前の試合の“6FIGURE$/YOKOTA”ד勉族”のショックも大きかったため、気を抜いて試合を眺めていたら、どうやら試合を優位に進めているのは“THE 84s”であるみたいだった。PGにスピードがあって非常に良かったし、シューターもインサイドも揃っている、確かに良いチームであった。12分という時間はアッいう間に過ぎていってしまうもので、気がつけば30秒を切っている。点差は2点。リードは“THE 84s”。いよいよ、“SUNDAY CREW”の表情にも焦りが色濃く出ているし、“SUNDAY CREW”が負けてしまう、という緊張が観ている側にもあったと思う。残り10秒となる“THE 84s”のOFを守りきった“SUNDAY CREW”のラストチャンス。センターラインを超えた辺りにはBOBBY a.k.a LOVE LIFEが待っている。ドラマというのは良く出来ているもので、BOBBYはそこで待っているのだ、だから、ドラマが起こる。パスが通るやいなや、迷いなくBOBBYは3Pを放つ。かなり距離があったが、だからこそドラマ。シュートはリムを通過し、タイムアップ。この試合、唯一の“SUNDAY CREW”の得点リードがラストにやってくること。この試合、唯一のBOBBYの3P成功がラストにやってくること。これぞドラマであり、“SUNDAY CREW”がチャンピオンである所以なのだと改めて思った。“SUNDAY CREW”が初めてALLDAYのチャンピオンになった日、準決勝での“FAR EAST BALLERS”との激闘。残り1分を切り、同点。“SUNDAY CREW”のOF、誰もがエースであるISSAC SOJOURNERでくると思っていた矢先、選手兼監督でもあるSOUL a.k.a OKI-DOKIのこの日唯一の成功シュート、3P。まさかの選択に面を食らった“FAR EAST BALLERS”はそのまま敗戦し、“SUNDAY CREW”はそのまま代々木の王者に長いこと君臨することになった。あれは知る人ぞ知る、日本ストリートボールの歴史に残る一場面であり、このBOBBYのシュートはその場面とシンクロするものがあった。そして、なによりシビれるのは、1年前に一攫千金のシュートを決めてみせたOKI-DOKIも、ブザービートでドラマを起こしたBOBBYも、シュートが決まってもさして喜ばないこと。奴らは自分のシュートは決まるもんだと思っているから。その自信はなかなか理解しがたいものでありながらも、格好の良さでは抜群である。“SUNDAY CREW”、無事本戦出場決定。






僅か5人で戦ったFAR EAST BALLERS


NIKE JAPAN契約のプロ・ストリートボールクルー“FAR EAST BALLERS”の動向は、やはり毎度のことながら注目が集まるものである。そして、今大会を僅か5人のみで参戦したことも話題となる。どこまで勝てるのか?とはいえ予選は問題ない。本戦となり、相模原の“Hot Blizzards”との1回戦。後半の失点を4点に抑えたあたりはさすがといったところか。準決勝となり、対戦相手は横浜の宿敵“Team-S”。善戦するも、ここはやはり自力の差で惜敗。しかしながら、勝ち負けを超越して“FAR EAST BALLERS”の格好良さというのは、やはり生で観ないことには伝わらないだろうか。“FAR EAST BALLERS”、5人で戦い抜き、ベスト4。


初出場、SH☆TGUN


元々、“SH☆TGUN”というチームは知っていた。何度か対戦もしたことがある、確か多国籍なメンバーもいるチーム。ひょんなことから連絡が取れて、是非ALLDAYに参加して欲しいと言ったら、快く出てくれた。予選トーナメントの2回戦、本戦出場を賭けての一戦は、雨の降る中、再々延長にまで及び勝ち取った出場枠。ストリートボールをプレイするチームとして、ソウルフルな印象な“SH☆T GUN”。もちろん好感も高い。本戦のALLDAYトーナメント1回戦、“6FIGURE$/YOKOTA”との対戦は、あまりの体格差に圧倒されるも、正面から立ち向かっていった姿は心に響くものがある。何度も負けて、そしてまた立ち上がるのがストリートの連中。“SH☆T GUN”、何度でも代々木に来て欲しい。


“駒沢”ROCKERSד代々木”SUNDAY CREW


勝手な予備知識があったおかげで、この日一番のドラマを見た一戦。日本で初めてストリートでバスケットボールをプレイしたと言われる“駒沢”ROCKERS。90年代のストバスブーム、黒人チャンピオン・チームを日本人チームで唯一倒した存在。カリスマ的存在。一方で、現代。2005年8月にALLDAYが開催して、7回中5回優勝のチャンピオン・チーム、“代々木”のSUNDAY CREW。駒沢“ROCKERS”側の視点から見れば、奇しくも相手は外国人チーム。あの当時とシンクロする思い。伝説と呼ばれた“ROCKERS”のメンバーたち、Whooz.T、KAI、AIZAWA…。ベンチには駒沢の親たちの戦いを見守る子どもの世代たち、そして孫の世代たち。日本人たちが外国人にバスケットボールで立ち向かっていき、何度もベンチワークを注意され、あげくにベンチ・テクニカルを取られるも、その全てが駒沢のやり方か。横浜の“Team-S”のベンチワーク、その騒ぎっぷりが話題に上がることも多いが、その原型が駒沢“ROCKERS”にあった。駒沢“ROCKERS”、初出場にしてベスト4進出。“SUNDAY CREW”初のベスト8敗退。


6FIGURE$/YOKOTA×Team-S


今回のALLDAYの一部始終を観ていた者は、ワンサイドゲームを予想していただろう。柏の“勉族”が大敗し、駒沢の“ROCKERS”も大差で負けた。決勝の横浜“Team-S”の今までの実績を考慮しても、ワンサイドゲームが頭を過ぎった。しかしながら、前半を終了していれば2点差のビハインド。ボルトで固定されたように、2点差から離れない。ハッスルしたDFと、高さとフィジカルのインサイドアタックの“6FIGURE$/YOKOTA”に対して、組織DFとファーストブレイク、そして司令塔TAKUと新星YAMAの個人技が爆発した“Team-S”が上手くはまって好ゲームが展開された。観る人は皆、驚いたはず。駒沢“ROCKERS”の色を濃く受け継いでいる横浜“Team-S”は、久々に見た駒沢のスタイルに感化されたか。ハッスルが続く。しかし、最後は2点差をひっくり返せず、そのまま“6FIGURE$/YOKOTA”の勝ち抜け。横浜“Team-S”はこれで5度目の準優勝……。“6FIGURE$/YOKOTA”は初出場にして、初優勝。「ALLDAYにはずっと出たかったんだ!10月には必ずまた戻ってくる!!!」そう言い残して、横田に帰っていった。


次回、第9回ALLDAYは、10月21日(土)、22日(日)に今回と同じレギュレーションで開催される。
詳細は、ALLDAYMAG.comにて毎週更新。ぜひチェックしてほしい!



#by fujimon - | 2006-09-12 20:09:41| ALLDAYレポート|


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コメント

YWIWYIoWbSVさんのコメント

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2007-03-15 08:14:16

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